基本操作

選択
以下のいずれかの方法でマテリアルを選択します。

(1) マテリアルタブ/マテリアルリストから選択する。

(2) シーングラフ[マテリアル]のマテリアルツリーから選択する。

(3) 3Dビューにおいてオブジェクトをダブリクリックして、当該オブジェクトに割り当てられているマテリアルを選択する。

(4) シーングラフ[シーン]で各オブジェクトの子として表示されるマテリアルを選択する。

追加
Material_1_1.pngMaterial_1_2.png

(1) マテリアルシーングラフで右クリックメニューを表示し、「新規マテリアル」を選択し「新規マテリアル」ダイアログを表示します。

(2) 名称、タイプ等を入力して[OK]ボタンをクリックするとマテリアルを追加されます。

削除
マテリアルを選択した状態でマテリアルタブの[削除]ボタンをクリックするとマテリアルを削除します。 また、シーングラフ[マテリアル]において、マウス右クリックメニュー[削除]からも削除可能です。
マテリアルの割り当て
Material_1_3.png
以下の手順でマテリアルをオブジェクトへ割り当てます。

(1) オブジェクトを選択する。

(2) シーングラフ マテリアル で割り当てたいマテリアルを選択する。

(3) マテリアルにカーソルを合わせた状態で、右ボタンクリックメニュー 選択オブジェクトへ適用 を選択する。(ショートカット[Ctrl]+[R]からも適用可能)

ノート
ライブラリウィンドウ マテリアル からシーン内のオブジェクトにD&Dすることでもマテリアルを割り当てることができます。
編集
Material_1_4.png
マテリアルを選択し、セットアップ/マテリアルタブでマテリアルの編集を行います。 編集方法については下記のリンクを参照してください。

タイプ

タイプ
Material_2.png

nStylerには、以下の6つのマテリアルタイプがあります。材質にあわせて設定します。

ランバート

ゴム等反射しない材質。 入射した光はすべての方向に等しく拡散するという反射則に基づいて拡散反射のみを考慮してシェーディングを行います。

フォン

プラスチックの表現。 光線、視線、および法線ベクトルによって、拡散成分と鏡面成分とに分けてシェーディングを行います。

ブリン

金属の表現。 光線、視線、および法線ベクトルに加え、モデルの散乱性と方向性を考慮して拡散光、反射光成分を計算します。

クリアコート

透明コーティング塗装の表現。 ブリンをベースとし、透明コーティングにより周囲の環境が映り込みます。

グラス

ガラスや透明プラスチックの表現。 フォンをベースとし、周囲の環境が映り込みます。

メタリック

メタリック塗装の表現。 フレーク塗装に加え、透明コーティングにより周囲の環境が映り込みます。

梨地シボ

材質表面の凹凸を表現。 凹凸の大きさ、深さに加え、透明コーティングにより周囲の環境が映り込みます。

BRDF

BRDF(Bi-directional Reflectance Distribution Function ) 「双方向反射率分布関数」。 実物の塗料サンプルを計測したデータを基にしたマテリアルをレンダリングします。オフィスカラーサイエンス社のCI-Navigetorから出力される計測結果(BRDFデータ)を反映する事が出来ます。

色設定
色設定パネルにはマテリアルの各成分の色を指定できます。各マテリアルタイプに共通ですがマテリアルタイプによっては使用されない色成分もあります。使用されない成分はグレーアウトされます。右側のスライダーは各色成分の「明るさ(V)」を操作します。
②拡散色

拡散反射の色を設定します。素材の基本の色となります。 平行光源、点光源、スポットライトの影響を受けます。

③環境色

ライトから直接あたるのではなく周囲に反射した光によって見える色を設定します。環境光の影響を受けます。

④反射色

鏡面反射の色を設定します。ハイライトの色となります。 平行光源、点光源、スポットライトの影響を受けます。

⑤自己発光色

ライトとは関係なしに自身が発光している場合に設定します。LEDを点灯させるような場合に使用します。

⑥不透明度

値が大きいほど不透明になります。0で完全透明となります。

カラーエディタ
ColorSumnail.png←カラーサンプルまたは▼をクリックすると下図のカラーエディタが表示されます。 グラデーションマップやRGB、HSV値を入力して色を設定します。
ColoeEditer.jpg
カラーエディタの[カラーピッカー]ボタンをクリックすると、マウスの左ボタンを押している間、スポイトマークが表示され画面上の任意の色を抽出することができます。

基本要素

各マテリアルの基本要素は、「拡散色」、「環境色」、「反射色」、「自己発光色」、「不透明度」の5つで構成されています。

拡散色
素材の基本の色となります。平行光源、点光源、スポットライトの影響を受けます。
color-base01.png
環境色
ライトから直接あたるのではなく周囲に反射した光によって見える色を設定します。環境光の影響を受けます。
color-base02.png
反射色
鏡面反射の色を設定します。ハイライトの色となります。平行光源、点光源、スポットライトの影響を受けます。
color-base03.png
自己発光色
ライトとは関係なしに自身が発光している場合に設定します。LEDを点灯させるような場合に使用します。
color-base04.png
不透明度
値が大きいほど不透明になります。0で完全透明となります。
color-base05.png

映り込み

概念
映りこみの強さは、「屈折率」、「スケール」、「バイアス」の3項目で調節します。まず、目的の材質の屈折率を決定します。この値とフレネルの公式を考慮した反射がオブジェクト表面に反映されます。RTRTエンジン使用時はこの屈折率及びバイアス、スケールを加味した最終的な屈折率でレイトレース計算を行います。
Fresnel01.jpg
映りこみ計算式
クリアコート映り込み強度 = f(屈折率) × スケール + バイアス
Fresnel02.png
スケール
屈折率による計算値に対し乗算されます。下のグラフの緑は青の反射率より2.0倍のスケールの反射率を表します。
Fresnel03.png
バイアス
屈折率×スケールによる計算値に対し、加減算で強度を調整するパラメータです。下のグラフの赤は青の反射率より常に0.25が加算された反射率ですを表します。
Fresnel04.png

マテリアル割当

過去のモデルで作ったマテリアルを割り当てる手段を以下に記します。

マテリアルファイルを読み込む方法 

この方法ではファイル中のマテリアルをすべて一度に読み込めます

1.
過去のシーンを開きます。
2.
[ファイル]⇒[出力]⇒[マテリアル]で.nlyファイルを出力をします。シーンを閉じます。
3.
別のシーンを開きます。
4.
[ファイル]⇒[入力]⇒[マテリアル]でマテリアルを読みこみます。
5.
シーンにマテリアルが追加されます。マテリアルファイル内のすべてのマテリアルが追加されます。

ライブラリウィンドウから追加する方法

この方法では、ファイル中の必要なマテリアルのみを追加することが可能です。出力したマテリアルはライブラリウィンドウで表示し、ドラッグ&ドロップで必要なマテリアルだけを追加することが可能です。

1.
方法1と同じく、マテリアルファイルを出力します。
2.
別のシーンを開きます。
3.
ライブラリウィンドウを表示し、左側のツリー表示部で保存したマテリアルファイルのディレクトリを表示します。
4.
右上エリアに表示されるマテリアルファイルを選択します。右下エリアに含まれるマテリアルサムネイルが表示されます。
5.
マテリアルを選択し、シーンへドラッグ&ドロップで追加します。

シボ設定

表面に細かい突起のある「シボ」を表現する方法は2つあります。

バンプマップ設定

仕様1.
マテリアルに「バンプマッピング」を追加してシボを設定します。画像内の明暗で凹凸を疑似表示します。
仕様2.
コーナー部分などでオブジェクト表面に正しい向きで設定できません。
仕様3.
一般的に「梨地マテリアル」よりも描画負荷は低いです。
仕様4.
標準レンダラエンジンではバンプマップはサポートされません。

梨地マテリアルを使用

仕様1.
マテリアルタイプ「梨地マテリアル」を使用してシボを設定します。
仕様2.
コーナー部分などでもオブジェクト表面に正しい向きでシボが描画されます。
仕様3.
一般的に「他のマテリアルタイプ+バンプマッピング」の場合よりも描画負荷が高くなります。
仕様4.
マテリアル詳細パラメータのX、Y、Zの大きさをそれぞれ変えるとシボの大きさが各方向に伸縮します。極端に1方向に伸ばすとヘアライン風の設定も可能です。
仕様4.
標準レンダラエンジンではサポートされません。

グループ設定

マテリアルグループの設定方法

「マテリアルグループ」機能は、オブジェクトのマテリアルを複数のマテリアルに切り替える機能です。ショートカットキーやプレゼンテーションモードで切替えることができるようになります。マテリアルを切替えるには、対象のオブジェクトとマテリアルを登録する必要があります。

1.
バリエーションウィンドウを表示します。
2.
マテリアルグループ作成します。①の「新規」を押しマテリアルグループを作成します。名称を選択した状態で再度クリックすると変更できます。
3.
対象となるオブジェクトをあらかじめ選択しておきます。右クリックメニュー「マテリアルからオブジェクト選択」等を使うと同一マテリアルのオブジェクトを一度に選択できます。
4.
②「オブジェクトを追加」ボタンを押し「オブジェクトを追加」ウィンドウを表示します。オブジェクトを選択した状態で「選択中を追加」ボタンを押します。リストにオブジェクトが追加されます。ウィンドウを閉じます。
5.
③「マテリアルを追加」ボタンを押しマテリアルメンバーの追加ウィンドウから切り替えるマテリアルを複数登録します。ウィンドウを閉じます。
6.
マテリアルの登録が済んだら、マテリアル名をWクリックすると切り替わります。
7.
順序の入れ替えは、バリエーションウィンドウの「上へ」「下へ」で可能です。
material02.png

不具合

削除モデルのマテリアル削除

nStylerではモデルを削除してもマテリアルはシーン内に残ります。残ったマテリアルはすぐには削除できません。履歴機能等の仕様上の制約事項です。これらのマテリアルの削除方法は、プロジェクトを一旦保存することです。保存をすればプロジェクトを開き直す必要はありません。マテリアル名称がグレーアウトされていれば通常の方法で削除可能です。

重複マテリアルの削除

稀に、プロジェクトを保存しても前回削除したマテリアルがシーン内に復活する現象が起こります。

原因
カメラ(.ncam)、ライト(.nlit)を個別インポートした場合、もしくはルックアップ使用時に、読み込むカメラ、ライトの出力元プロジェクトにマッピングが貼られている場合です。特に、nStyler2.2.1までのバージョンで作成したデータを流用する際に発生します。

対処法

.nsy形式ではなく.nsy_backup形式で二度保存する。

1.
現在、マテリアルリスト上でマテリアルが重複していて、両方とも「使用中(グレーアウトせず)」になっている状態だとします。
2.
クリーンアップを「実行する」にチェックON、「過去のデータを削除」にチェックONでnsy_backup形式を選択して保存します。
3.
nsy_backupを開き直すと、重複マテリアルの片方がグレーアウトしており削除出来ますので、ここで不要なマテリアルを削除します。
4.
もう一度、「クリーンアップ」を「実行する」にチェックON、「過去のデータを削除」にチェックONでnsy_backup形式を選択して保存します。
5.
nsy_backupを開き直すと、不要なマテリアルが無い状態にまで整理出来ます。
6.
過去のカメラ、ライト、マテリアルを利用して新規のnsyを作成する際にお困りの場合は、上記手順を行ってみて下さい。
cleanup.jpg